さまざまなライフプランに合わせて働きやすいと人気の登録販売者。なかには子育てが一段落したあとのキャリアを考えて、登録販売者の資格を取得しようとしている人もいるのではないでしょうか。
今回は、子育てが一段落してから登録販売者としてのキャリアを歩もうと考えている人に向けた記事です。「子育て後の転職は上手くいくのか?」「どのような働き方が合っているのか」などの疑問にお答えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそも「子育てが一段落」と感じるのは、子供が何歳になったときなのでしょうか。一般的には、小学校を卒業して中学校に入学したタイミングがは子育てが一段落といわれます。年齢でいうと、子供が12~13歳になったころです。
というのも中学生までは1人でできることも少なく、家で1人にしておくのは心配だと感じるでしょう。さらに小さい子供だと何かと体調を崩しやすく、その度に看病をしなくてはいけないので両親のどちらかが仕事を休んでいる家庭も多い傾向です。
中学生になると部活などが始まり、小学生の子供に比べるとお世話をする時間が一気に少なくなります。そのことから小学校を卒業後、子育てが一段落したと感じる人が多いといえるでしょう。
登録販売者の働き方は、さまざまで短い時間のパートタイムからフルタイムや正社員まであります。働き方の幅が広い分、どういった働き方を選べばよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。
ここでは子育てが一段落した人のなかでも、2つのライフスタイルにわけて向いている働き方を解説しています。働き方を決める際の参考にしてください。
子育てが一段落したからといって、子供の世話や家庭のことを一切しなくていいわけではない人も多いのではないでしょうか。そういった家庭と両立したい人や、仕事自体を長く休んでいたブランクのある人は、時間が短いパートタイムがおすすめです。
パートタイムは、他の働き方と比べて時間の融通がきくので、家庭との両立がしやすい傾向があります。キャリアを継続しながら、家庭の仕事もこなしたい人にぴったりの働き方です。
さらにパートタイムは、フルタイムや正社員よりも就業できる確率が高くなります。長く仕事を休んでいたブランクがあっても転職しやすく、少しずつ仕事に慣れていける環境も魅力です。まずはパートタイムで実績を作ることで、フルタイムや正社員へのキャリアアップもしやすくなります。
子供が部活に入ったり1人で留守番ができるようになったりして、1日に自由な時間が増えた人にはフルタイム勤務がおすすめです。自由になった時間を仕事に打ち込むことで、今後のキャリアアップが大きく変わります。
また本格的にセカンドキャリアを模索したいと考えている人は、早めに正社員就職にチャレンジしましょう。例えば、正社員として働きたいと考えているなら、40代前半から正社員へのチャレンジが必要です。50代以降からの正社員採用は難しくなるからです。
正社員が厳しい場合は、1日8時間働けるフルタイムやロングパートで実績を積みましょう。いきなり正社員への道は難しい場合も多いので、逆算しながら働き方を選んでみてください。
子育て中に仕事を休んでいてブランクがある人は、子育て後に転職が上手くいくのか不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
子育て後の転職は、勤務時間の希望が少ないほど上手くいきやすい傾向があります。例えば、週に2回は遅番に入れる、早番は頼まれればいつでも入れるなど、時間の融通がきくことは転職するうえでプラスだといえるでしょう。
ただ最近では、子育て後の転職活動事情に変化がでてきました。どんな変化が起こっているのか見ていきましょう。
少子高齢化などの社会的背景から人手不足が加速しており、現在では多くの企業が子育て後の主婦主夫を歓迎する傾向に転換しつつあります。少し前までは子育て後の転職は苦戦しやすい傾向がありましたが、どの業界でも以前よりは転職が上手くいきやすくなりました。
さらに登録販売者だけでいえば、需要が増えていることも歓迎される要因のひとつです。ドラッグストアの増加や、一般医薬品を売る店舗が増えたため登録販売者がさまざまな場面で必要になっています。登録販売者の資格を取得している人は、より一層歓迎されるでしょう。
最近では徐々に主婦主夫歓迎の企業が増えてきた傾向にあるものの、ブランクがある場合は正社員就職が難しいのは現状です。とくに登録販売者は5年以上のブランクがあると、5年前に登録販売者としての経験があったとしても「実務経験なし」に戻ってしまいます。
正社員の登録販売者を求めているほとんどの企業は、実務経験の要件を満たしている人材を探しています。一方、パートは実務経験なしでも積極的に採用しているところも多い傾向です。そのためブランクが5年以上ある人は、まずはパートなどで実務経験を積んでから正社員へのキャリアップを目指してみてください。
上記でも少し触れましたが、勤務時間の希望がない方が、転職活動はうまくいきやすい傾向があります。なぜかというとシフト管理に課題を抱えている企業が多く、勤務時間の融通がきく従業員は重宝されるからです。
近年では、ツールやシステムなどの機械の導入によってあらゆる業務の負担が少なくなっています。しかし、シフト管理は人の都合を汲み取り臨機応変に対応しなくてはならない点から、なかなかシステム化しづらいようです。
シフト管理の負担は店舗の管理者が負うことが多いので、面接の際に時間の融通がきくことをアピールすると転職活動がスムーズになりやすいでしょう。
子育てが一段落して時間に余裕のある人は、まずはフルタイムパートで登録販売者の実務経験を積むことがおすすめです。正社員よりも就業しやすく、短いパートタイムよりも思い切り働くことができ、仕事にも慣れやすいでしょう。
さらに登録販売者としてフルタイムパートで働くと、実務経験の条件を最短で満たせるのもメリットです。ここでは1度、登録販売者の実務経験の条件をおさらいしてみましょう。
登録販売者が実務経験の条件を満たすには、以下の3つのルートがあります。
①過去5年以内に通算2年以上かつ、1920時間以上の従事期間がある
②過去5年以内に通算1年以上かつ、1920時間以上の従事期間がある
③過去に通算1年以上の従事期間がある+店舗管理者または区域管理者として業務に従事した経験が必要
フルタイムで1年間働くと1920時間になり、②の条件を満たせます。②のパターンは①に比べて従事期間が短い分、追加研修をしなくてはいけません。しかし、もっともスピーディーに登録販売者の実務経験の条件をクリアできるので、今後のキャリアのステップを積みやすくなるでしょう。
登録販売者としての働き方や今後のキャリアプランが決まったら、次は具体的な転職活動をおこないましょう。転職活動のなかで「子育てが一段落したから」という、素直な志望動機で問題はないか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、「子育てが一段落したから」という志望動機で問題ありません。ただし、仕事への意欲もアピールしつつ伝えた方が好印象です。例えば「以前から登録販売者に興味があり、子育てが一段落してようやく働けるようになったので挑戦したい」など、やる気を全面的に出すようにしましょう。
そもそも志望動機は、率直に書いた方が企業に伝わりやすい傾向があります。「子育てが一段落したので時間に余裕ができた」という理由は率直でわかりやすく、企業にとっても納得のいく志望動機だといえるでしょう。
さらに、「今まで働きたいと思っていたがやっと挑戦できるようになった」「今後は長く働ける」といった前向きさや時間の融通がきくことも追加でアピールしやすいのも魅力です。率直さとアピールポイントをミックスして伝えるようにしましょう。
その他にも「家計の足しにしたいので待遇面に惹かれた」という率直な志望動機もあるのではないでしょうか。こちらの志望動機もありですが、短絡的だと誤解されないように言い回しには注意が必要です。
どのような待遇面に惹かれて、どのようにキャリアを築きあげていきたいかを添えて伝えるようにしましょう。
「子育てが一段落して時間に余裕ができた」「家計の足しにしたい」という率直な志望動機と一緒に、キャリアや経験を盛り込んだ動機を伝えましょう。その企業ならでは惹かれるポイントと、自身のキャリアや将来を見据えた動機を加えるとさらに好印象です。
伝わりやすい志望動機も必要ですが、真剣さや前向きさを一緒にアピールできるとよいでしょう。
登録販売者にはさまざまな働き方があり、子育てが一段落した人でも選択しやすい職業だといえます。現在では、人手不足や登録販売者の需要の増加で、登録販売者の募集が多いのも魅力です。子育て中のブランクがあっても、比較的転職が上手くいきやすいでしょう。
子育てが一段落したあと登録販売者としてのキャリアを選ぶなら、まずは実務経験を満たすことを優先させてください。1日8時間のフルタイムなら転職しやすく、実務経験の条件も1年間で満たしやすいのでおすすめです。ぜひ、今後のキャリアアップのために、検討してみてください。
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