登録販売者として働く人のなかでも多い、パート労働者。「登録販売者としてパートで働くメリットはあるのか?」「パートで働いたあとのキャリアはどうなるか?」と気になっている人も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、パートで働くメリットや注意点を紹介しつつ、登録販売者としてのキャリアを考えていきます。
目次
働くうえで「パート」という言葉はよく聞きますが、どんな働き方を指すのか正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。パートで働く際のメリットや注意点を知る前に、まずはパートについて正しく理解しましょう。
パートとは、パートタイム(短時間労働者)という雇用形態を略した名称です。同じ事業所で働く正社員などと比べて短い時間で働く雇用形態で、ほとんどの場合は有期労働契約(一定期間ごとに雇用契約を更新する)となっています。
よくアルバイトと区別して使われることがありますが、法律上はどちらも同じ意味。ただし、企業によってパート契約とアルバイト契約を使いわけている場合もあり、契約内容はさまざまです。
また正規雇用である正社員に対し、パートはアルバイト・契約社員・派遣社員と同じ非正規雇用の労働者となります。
登録販売者には、パートで働く選択をする人も多く存在します。どうしてパートという働き方は人気があるのでしょうか。
登録販売者がパートで働く際のメリットを解説していきます。
まずメリットとしてあがるのは、時間の融通がつきやすいところ。パートタイムは正社員よりも短時間労働なので、1日のうちで限られたタイミングの勤務も可能です。パートは勤務時間を自分でコントロールしやすいので、仕事以外の時間も充実したものにしやすいでしょう。
また、パートは勤務時間や勤務日数が決まっていません。正社員よりも希望の休日や勤務時間を調整しやすいのも魅力です。家事や育児、介護を担っている人や、高齢者など長時間の労働が難しい人に適しています。
最近は、複数の仕事を掛け持ちする人々にも注目されています。本業と並行して副業で登録販売者として働くケースや、本業で登録販売者として働きながら別の副業をするケースなど、多様な働き方が可能です。
パート労働者が担う責任の範囲は、正社員に比べると限定的。任された業務に対しての責任のみで、売り上げへの責任は求められないことがほとんどです。責任が重大な仕事は億劫になる人や、はじめから広範囲の仕事の責任を持つ自信がない人にはぴったりだといえます。
責任が限定的というとやりがいを感じない人もいるかもしれませんが、指示された業務に集中できるのはうれしいポイントではないでしょうか。責任の範囲が広くなればなるほど、ひとつの業務に対してスキルを磨けなくなります。その点、パートは任された業務のスキルをとことん追求できるのが魅力です。
登録販売者でいえば、医薬品の助言については責任を担うことになります。登録販売者として働いている以上、医薬品に関しての責任は、労働形態は関係ありません。一方で、売り上げなどの責任は求められることが少ないので、登録販売者の業務を集中して覚えられるでしょう。経験が浅い登録販売者にも、向いている働き方だといえます。
登録販売者が働くことが多いドラッグストアやスーパー、コンビニの求人には正規雇用は少なく、パートタイムのものが中心です。そのためパートで働く分には、就業先の選択肢が多いといえます。たくさんの求人から選んだ方が自分に合った職場を選びやすいので、求人数が多いことは大きなメリットといえるでしょう。
またパートの求人には、登録販売者として実務経験のない人も歓迎している「未経験可」のものが多いのが特徴。じっくりと実務経験を積むことができるので、未経験者にはおすすめです。
パートは基本的には、正社員よりも転勤が少ない傾向にあります。パートでも転勤がある企業が稀にありますが、店舗契約をしている場合は転勤はありません。
どちらにしても正社員ほど転勤の心配がいらないのが特徴です。家庭から離れられない人、引っ越しなどの手間を考えたくない人も安心して働きやすいでしょう。
パートという働き方は魅力もたくさんありますが、注意点もいくつかあります。パートとして就業してから「こんなはずじゃなかった」となる前に、注意点も確認しておきましょう。
前述でも記載しましたが、登録販売者としての責任は正社員と変わりません。「医薬品の助言」や「医薬品の管理」は、登録販売者の資格保有者がおこなえる特権業務です。そこにパートや正社員という雇用形態での違いはなく、等しく責任が伴います。
例えば、医薬品について異なる情報を伝えたり、医薬品の取り扱いを間違えたりした場合は登録販売者として責任を取らなくてはいけません。パートの登録販売者だからといって、登録販売者の業務の責任から逃れられないことを覚えておきましょう。
このように記載すると少し責任が重く感じるかもしれませんが、登録販売者はそれほどやりがいのある職業だという意味でもあります。その分真摯に業務に取り組めば、大きく成長できるでしょう。
パートは正社員と比べると待遇に差を感じることも多々あります。そのひとつに福利厚生の弱さがあり、パートが利用できる福利厚生は少ないのが現状です。
パートが利用できない福利厚生としてよくあげられるのが、厚生年金と健康保険などの社会保険。厚生年金や健康保険が適用されるのは、労働日数がフルタイムの4分の3以上であることが基本的な要件です。そのためパート労働者のほとんどは適用されない傾向にあります。
また、正社員より使える研修制度が少ないのも注意が必要です。会社からのバックアップが少ない分、自分で技術やスキルを磨く必要があります。
メリットとして伝えた時間の融通ですが、どんな職場でもすべての希望が通るとは限りません。職場によってはフルタイムに近い働き方を求められたり、土日祝など休みを認められなかったりする場合もあります。
シフトの融通については職場によるため、就業前に擦り合わせておくことが大切。しかし、登録販売者が就業することの多いドラッグストアやスーパー、コンビニなどは、基本的には土日祝や遅番(ラスト時間)まで働ける人を優遇するケースが多く見られます。
どうしても土日祝や遅番(ラスト時間)勤務ができない場合は、求人選びの時点で妥協しないようにしましょう。
では、求人を選ぶときに、どんなところに気をつければよいのでしょうか。満足のいくワークライフバランスを保てる職場を選ぶためには、求人の探し方にはコツが必要です。
ここからはパート向けの求人の選び方について詳しく解説します。
パートで働くなら、シフトの融通が効くかどうかは重要なポイント。求人を探すときには、「主婦(主夫)歓迎」や「シニア歓迎」といったこだわり条件で検索をかけてみるのがおすすめです。主婦(主夫)やシニア歓迎の求人を出している職場は、ワークライフバランスを重視していることが多い傾向にあります。
ただし登録販売者が勤務することが多いのは、ドラッグストアやスーパー、コンビニなどの小売業者。土日祝はお客さまが多い傾向があるため、基本的には休めないと考えておくとよいでしょう。
また、遅番(ラスト時間)まで入れる人が優遇される現状はどの職場でもあります。自分のライフワークとの折り合いをみつつ、時間の融通がある程度効きそうなところを探してみてください。
求人を選ぶときに意外とチェックし忘れるのが、自宅からの距離です。職場と自宅は距離が近ければ近いほど、さまざまな利点があります。
また自宅から職場までが近いと、通勤時間の短縮が叶うのがメリット。通勤時間にかかる時間をできるだけ短くすることで、他にできることが多くなります。
家事や育児、介護など、家庭で大きな役割を担っている人にもおすすめ。距離が近ければ何かあったときにすぐに自宅に駆けつけられるので、家庭との両立もしやすいでしょう。
勤務時間を確認するときには、求人だけでなく面接での交渉も大切です。求人によって勤務時間はバラバラで、こだわり条件で検索しづらいのが現状。勤務時間の制約については、求人にのっている情報だけを頼ると選択の幅が狭まってしまいます。
勤務時間の制約は、すでに働いている従業員との兼ね合いが大きい傾向に。面接で交渉してみると、求人との時間と少しズレても了承してくれるケースもあります。
逆に面接のときに、求人で記載されている時間以外でも働けるか確認されることも。勤務時間については話し合いで確認する方がスムーズにすすむ傾向があります。
登録販売者に多いパートタイムは、ライフスタイルに合わせた働き方ができるのが大きな魅力。仕事以外の時間も充実させたい人や、隙間時間を使って登録販売者としてのキャリアを築きたい人にもぴったりの働き方です。
そんなパートタイムという雇用形態の魅力を最大限に味わうには、求人の選び方がとても重要。パートの働き方や就業する職場の特徴を把握しつつ、上手に使いこなしましょう。
ただし、パートタイムは待遇面やキャリアの安定感ではやや不安な要素もあります。待遇面やキャリアアップの面で正社員に憧れるなら、正社員登用制度についても調べておくことがおすすめです。下記の求人情報で詳しく説明しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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