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【登録販売者で働きはじめた人へ】顧客からクレームを受けたときの対処法

ビジネスの現場で避けて通れないのがクレーム対応です。クレームに対応するスタッフは大変ですが、適切な対処法をあらかじめ知っておけば、いざというときにも冷静に対処できます。

本記事では、クレーム対応のポイントや各種クレーマーのタイプとその対処法について解説します。

目次



クレーマーにはチームで対応し、一人で抱え込まないようにしよう

まず、大前提として、クレーマー対応は一人でおこなうべきではありません。無理に自分一人で解決しようとすると、余計に適切な対応が難しくなる可能性があるからです。

特に、登録販売者として就業したばかりの段階では慣れていないことが多いため、一人で対応すると暴言や脅迫などの危険な目に遭ったり、逆に企業のイメージを損なう対応をしてしまったりしかねません。

そのため、就業したばかりの初心者の登録販売者は、もしクレームを受けたら、まずは先輩や上司に報告しましょう。先輩や上司ならクレーム対応にも慣れているはずです。

また、状況によってはクレームを通り越してハラスメントに発展する場合もあります。ハラスメントを受けた場合は、その時間や内容を含めてメモを残しておきましょう。これは、後々の証拠となり得るため、経験が浅い人もベテランも同じです。

本記事での解説はあくまでも一般知識を身につけるのが目的であり、単独でのクレーマー対応を推奨するものではありません。クレーム対応は難しい業務のため、一人で抱え込まず、チームで対応することを心がけましょう。

クレーマーのタイプを理解しよう

クレーマーには様々なタイプが存在します。それぞれのタイプがどんな人なのかを理解しておきましょう。

性格による類型

クレーマーは、その性格により以下の3種類に分類できます。

理詰め型 理詰めで問い詰めてくる。
温厚型 一見温和だが意味の無い会話や長時間拘束などでスタッフを疲弊させる。
感情型 感情的にまくしたてる。暴言、暴力、威圧、脅迫などを伴うこともある。

まず、「理詰め型」は、論理的な議論を武器に問い詰めてくるタイプです。彼らは事実や根拠に基づいて主張し、時には細部まで突き詰めてきます。

怒っているというよりは議論自体を楽しむような性格のタイプも多く、スタッフが説明してもさらに重箱の隅を突いてきたり、論点をズラしたりして議論を続けようとする傾向にあります。

次に、「温厚型」です。一見すると温和で親しみやすく、やんわりとした態度でクレームをつけてきますが、ほとんど業務と関係の無い会話だったり、要求がわかりにくかったり、同じことを何回も言ったりしてスタッフを長時間拘束してくる傾向にあります。

スタッフが説明をしてもなかなか納得せず、かといって明確な要求もしないため、会話が長引きやすいです。多くはスタッフと会話すること自体を目的にしており、会話がなかなか終わらずにスタッフが疲弊してしまうのが特徴です。

最後に、「感情型」は、論理ではなく感情論で訴えてきたり、まくし立ててきたりするタイプです。もちろん性格が感情的だからといってそれが即クレーマーとは限りません。落ち着いて話をよく聞いてみたら主張そのものは筋が通っていることもあります。

しかし感情的で、なおかつ主張も理不尽なクレーマーは、暴言や威圧、脅迫といった強烈な感情表現を用いることがあり、危険です。彼らは自身の感情を前面に押し出し、相手を圧倒しようとします。

目的による類型

クレーマーの目的による類型も重要な視点です。主に以下の2つのパターンが考えられます。

憂さ晴らし型 自らのストレス発散を目的としてクレームを付ける。
利益追求型 金銭など経済的な利得を目的としてクレームを付ける。

「憂さ晴らし型」のクレーマーは自分の精神的ストレスの発散を目的としてクレームを付けます。具体的な解決策を求めているわけではなく、ただスタッフに厳しく当たることで自分のストレスを発散しようとするのです。

したがって、合理的な解決策を提案しても納得しないことが多く、長時間にわたるクレームで業務が止まったり、スタッフが疲弊してしまうなどの悪影響が出ます。

先述した「感情型」と似ていますが、必ずしも感情を爆発させるタイプとも限りません。憂さ晴らし型には非現実的な正論で懇々と叱責してくるようなタイプも多いです。

「利益追求型」は金銭的な利益を目的とした過大要求をおこなうことが特徴です。サービスや商品の改善を求めるのではなく、自身の利益を最大化することを目的にしている傾向にあります。

多くは冷静な会話でクレームを付けてきますが、「誠意を見せて欲しい」などの遠回しな言い方で金銭的な要求をしてくるのが特徴です。また、訴訟をちらつかせてスタッフを威圧してくる場合もあります。

事前に法律などを調べて理論武装しているケースが多く、慣れていないスタッフでは対応が難しいかもしれません。

これらの目的による類型を理解することで、適切な対応策を見つけることが可能になります。

クレーマーのタイプ別の解説と対処法

クレーマーはそのタイプにより適切な対処法が異なります。以下では各タイプの特徴と、それに対する効果的な対応を詳しく説明します。

前のセクションでのクレーマーのタイプを読んで、自分自身で対応できるかどうか不安に思った方も多いのではないでしょうか。

冒頭でも述べましたが、重要なポイントとして、一人で無理に対処しようとせず、チームに適切なサポートを求めることが必要です。特に、慣れていない初心者のうちは、なおさらです。

また、企業ごとにクレーマー対応のマニュアルが存在することが多いので、職場のマニュアルに従って行動することを心がけましょう。

「理詰め型」の対処法

理詰め型のクレーマーは事実に基づいた議論を持ちかけてきます。こうしたクレーマーに対しては、同様に冷静に事実を説明し、理解を促すことが重要です。

しかし、彼らが論破を目的としている場合、反論を繰り返すと議論が無限に続く可能性があります。

そのため、「規則であるので」「会社の方針なので」といった、議論を打ち切る方向の説明に終始することが効果的です。また、クレーマーがしつこく議論を続ける場合には、上司や先輩の助けを借りることも忘れないようにしましょう。

「感情型」の対処法

「感情型」のクレーマーは、怒りや不満を直接的に表現する傾向があります。彼らの攻撃的な言動に対しては、自身の感情をコントロールし、反応せずに冷静さを保つことが重要です。

相手の感情が高ぶっている間は、まずはその感情が落ち着くのを待ちましょう。その上で、彼らの要求を丁寧に聞き、妥当な対応策を提案します。

ただし、暴言や脅迫を受けて恐怖心を感じた場合や、対応が難しい場合は、無理をせずに上司や先輩の助けを借りることも大切です。

相手の感情の高ぶりに対してこちらもカッとなって言い返したりせず、冷静な対話を通じて解決を図ることが、感情型クレーマーへの対処としては重要となります。

「温厚型」の対処法

温厚型のクレーマーは、一見穏やかで理解があるように見えますが、実は曖昧な要求を繰り返す傾向があります。対応する際はまず、相手の要求を明確にすることが重要です。

具体的な事実に基づき、明確な解決策を提案しましょう。感情に訴えるような言葉遣いではなく、事務的な対応を心がけると良いでしょう。

また、このタイプのクレーマーは一旦引き下がっても日を改めて来店し、しつこく同じ要求を繰り返すことがあります。そのような場合は、自身だけで対応し続けると疲弊する可能性があるため、上司や先輩に助けを求めることも忘れないようにしましょう。

「憂さ晴らし型」の対処法

「憂さ晴らし型」のクレーマーは、ストレス発散や不満の吐露が目的となっています。そのため、不快に思わせたことに対しては誠実に謝罪し、対応策を提案することが必要です。

しかし、謝罪すると言っても、土下座の強要などの義務の無い過大要求には応じる必要はありません。店舗や登録販売者の義務は、商品の販売と、相談など顧客のサポートです。

あくまでも通常の業務の範囲内で必要なレベルの謝罪を行い、義務の無い要求には応じないようにしましょう。

一方で、暴言や威圧的な態度を受けた場合には、自身で対処しようとせず、速やかに上司や先輩に報告しましょう。一人で抱え込むことなく、チームで対応することが大切です。

「利益追求型」の対処法

「利益追求型」のクレーマーは、主に自己の利益を追求する目的でクレームを行います。このタイプのクレーマーに対応するためには、企業の方針と規則を明確に伝えることが重要です。

要求の内容にもよりますが、多くの場合は過大要求であり、応じる義務がない場合がほとんどです。

過大な要求に対しては、規則に基づき応えられないことを誠実に説明しましょう。また、自身で上手く説明できない場合や、クレーマーが納得しない場合は、上司や先輩に助けを求めることも忘れないようにしましょう。

このように、適切な対処とコミュニケーションにより、利益追求型のクレーマーとも円滑に対話することが可能です。

まとめ

クレーマーのタイプを理解し、それぞれの特性に合わせた対応をおこなうことで、より効果的なクレーム対応が可能となります。チームでの対応や、個々のクレーマーの類型に基づいたアプローチが重要です。

また、この記事に書いたことはあくまでも1つの方向性に過ぎません。すべての対応はあなたの勤め先の方針やマニュアルに則るべきです。これらを踏まえ、適切な対応を心がけていきましょう。